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森林と木材
~地球環境のために・自然環境のために~
「京都議定書」と森林機能
地球温暖化防止のための「京都議定書」が2005年2月16日に発効し、先進国に対して地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、各種フロンなど6種類の温室効果ガスの排出削減が義務づけられました。これにより我が国は2008年~2012年までの5年間で1990年の排出量に比べて6%削減しなければならないという国際的な義務を負うことになりました。
削減方策の一つとして6%削減のうち、3分の2に相当する3.9%を森林に吸収させることになっています。森林は以下に記述するような二酸化炭素を吸収し、貯える機能があるからです。この機能を最大限に発揮させるためには、これまで以上に森林整備を進めていく必要があります。地域材の利用を通じて森林整備に必要な資金が山に環流させることが重要となります。
かつて木材は、「木材=森林伐採=環境破壊」といった風潮がありました。成熟した材木は二酸化炭素を吸収する能力が低下します。適切な森林施業によって、森林の若返りを図ることが必要です。そのためには成熟した森林を伐採し、木材として利用し、その資金によって跡地に植林をし、保育・間伐などの手入れを施し、常に森林の旺盛な活力を維持していくことが必要になります。
森林の地球温暖化防止機能
石油や石炭を大量に使っているため、大気中に二酸化炭素(CO2)が増えています。このため、地球から熱が逃げにくくなって、地球の温度が上昇しています。このような地球の温暖化を防止するため森林が注目されています。
植物は、光合成によって大気中の二酸化炭素を吸収し、酸素を供給しています。その植物の中でも最たるものが森林です。ちなみに宮城県の森林は年間200万トンの二酸化炭素を吸収し、150万トンの酸素を放出しているといわれています。
また、森林から生み出される木材は光合成でできた炭素を固定していますので、燃やしたり、腐らせない限り炭素は木材の中に留まっていますから、木材そのものも地球の温暖化防止に役立っているのです。
※二酸化炭素(CO2)は、光合成によって酸素(O2)と炭素(C)に分解され、酸素は空気中へ放出され、炭素はタンパク質・脂質・炭水化物の元になります。光合成を行なう植物は、この炭素を元に成長の養分を作り出しています。
木材は永続的に再生可能な資源
森林は、水源かん養、大気の浄化など様々な公益的役割を果たすとともに、木材をはじめとする生活資源を提供しています。このような多くの役割を有する森林は、石油や石炭などのように埋蔵量の限られる資源とは異なり、適正な管理育成を施すことによって公益的機能を果たしながら、木材などの生産・供給が永続的に可能な資源です。
森林の活力は「伐採~植林」の繰り返しで維持増進
森林は、若いときには旺盛な成長を示すので、大気中の二酸化炭素を吸収し、貯蔵する機能も旺盛ですが、成熟すると成長が衰えるので、炭素の貯蔵庫としての役割は維持するものの二酸化炭素の吸収力は衰えます。したがって、活力ある森林を維持して行くためには、適正な時期に伐採して木材として利用し、伐採したあとには植林をして保育、間伐などの必要な森林施業を行ない、健全で活力ある森林に整備することによって、木材資源として持続可能な利用や二酸化炭素吸収源としての機能を高度に発揮させることができるのです。